隣人が自分よりも金持ちだったり、会社の同僚が出世して稼ぎがよくなった
りすれば、「悔しい」 という気持ちが起きるのは人の情です。
嫉妬心というのは、誰にでもあるものです。
実際、格差の問題や貧困の問題を声高に訴える人の多くは、日本と途上国
を国際的に比べてそう言っているのではなくて、自分とその周囲の人を
比べて言っています。
確かに 「自分は頑張った。なのにあいつが出世するんだ」 と文句を言い
たくなることもあるでしょう。
じつは、この時に、「足ることを知る」 という考え方が大事になって
くるのです。
私たちがなぜ、豊かな人を見てうらやましく思うかというと、
「自分も同じような暮らしをしたい」 と思うからです。
同じ消費生活を営みたいと思うのに、自分はできないという現実があるため
に苦しくなるのです。
なぜ、豊かな消費生活ができる人と、できない自分がいるのか。
この時に自分のことを、「貧しい」 と感じます。
たとえその人が、アフリカの難民と比べて何百何千倍と豊かだったとしても
そう感じるものです。
その時に、人は悔しさのあまり「あいつはズルしたに違いない」 と言って
足を引っ張るか、それとも、とりあえずは欲を抑えて淡々と努力するか・・
この二者択一を迫られるのです。
